2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宗宮 弘明 Nagoya University, 生命農学研究科, 教授 (50147972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直之 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (80256974)
後藤 麻木 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80221985)
吉野 哲夫 琉球大学, 理学部, 准教授 (50117595)
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Keywords | 発音魚 / キントキダイ魚類 / 発音筋 / 脊髄神経 / ホウセキキントキ |
Research Abstract |
魚類の世界では、すべての魚類(科のレベル)の約10%が発音によるコミュニケーションをすると推測されているが、まだ研究は十分に進んでいない(宗宮2002)。Salmon & Winn(1966)は世界で初めて、キントキダイ科魚類の2種(Priacanthus meekiとゴマヒレキントキHeteropriacanthus cruentatus)が発音することを観察し、その鳴音を記録し発音筋を簡単に記載した。その後、Starnes(1988)は世界のキントキダイ科魚類を再検討し、クルマダイ属とチカメキントキ属には発音器はないが、その他のキントキダイ属はすべて似たような発音筋をもつと報告した。また、魚類は発音する際に2つの異なった神経(後頭神経か脊髄神経のどちらか)を利用する(Onuki & Somiya 2007)。発音性のキントキダイがどちらの神経を使うかは、まだわかっていない。 当該年度の計画として、日本産キントキダイ科魚類の2属5種(ゴマヒレキントキ属のゴマヒレキントキとキントキダイ属のイトヒキキントキ、キントキダイ、ホウセキキントキ、キビレキントキ)の発音器の構造とその神経支配を調査し、生体で入手できたホウセキキントキについては鳴音の記録を行った。 その結果、発音するすべてのキントキダイが脊髄神経を使って発音することが判明した。また、発音筋は種によって大きさが異なり、イトヒキキントキ、キビレキントキが比較的大きな発音筋をもっていた。驚いたことに、分類形質の点から、ホウセキキントキと分類された魚種に発音筋のよく発達したものと、未発達な2つのタイプの存在が判明した。ホウセキキントキは2種に再分類される可能性があるのかもしれない。本年度はその点について再度調査をする予定である。なお、上記の点については魚類学会年会において報告した。
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Research Products
(1 results)