2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580201
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宗宮 弘明 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (50147972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直之 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80256974)
後藤 麻木 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (80221985)
吉野 哲夫 琉球大学, 理学部, 准教授 (50117595)
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Keywords | 発音魚 / マツカサウオ / 発音筋 / 神経支配 / キンチャクダイ魚類 / イシダイ / イシガキダイ / カマキリ |
Research Abstract |
1) マツカサウオの発音器:キンメダイ目マツカサウオ科のマツカサウオが、鰾筋振動による発音魚である事を世界で初めて記載した。マツカサウオは源に付着する発音筋を持ち、その振動で発音し、音の周波数は約500Hzであった。発音筋は後頭神経によって支配されていた。この結果をCOPEIA(米国魚類・は虫類学会)に報告した(Onuki et al. 2010). 2) 冷水性降河回遊魚カマキリ(カサゴ目、カジカ科)の発音と発音筋:日本産のカマキリが発音する事を確認し、発音筋の大きさの季節的変化を調べた。発音の周波数特性は約100Hzであり、発音と言うよりは振動によるコミュニケーションと考えられた。発音筋の相対的な大きさは、雌雄ともに産卵期に最大となる事がわかった。天然魚と養殖魚の比較では、養殖魚の発音筋の発達が悪い事が判明した(Iwatani et al. 2011)。 3) イシダイとイシガキダイの発音器:イシダイとイシガキダイの鳴音を記録するとともに、その発音器の構造を解明した。イシダイとイシガキダイはともに螺筋振動による発音魚で、その発音筋は頭骨と鯨に付着する外在性筋であった。また発音筋は後頭神経によって支配されていた(現在投稿論文作成中)。 4) キンチャクダイ科の発音器:これまで、キンチャクダイ科魚類の発音器は記載されていない。また、おの種が発音魚で、どの種が発音魚でないかについての研究もない。そこで、本科魚類の7属26種(外国産も含む)についてその発音器の有無を観察した。 その結果、観察されたサザナミヤッコ属の6種すべてに発音器が観察された。一方、アブラヤッコ属10種のうち5種(アブラヤッコなど)に発音筋が確認され、他の5種(オハグロヤッコなど)には発音筋は観察されなかった。現在分類学的な観点から、キンチャクダイ科魚類の進化様式の見直しを行っている。
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Research Products
(2 results)