2009 Fiscal Year Annual Research Report
水田生態系保全に向けての国内外産ドジョウのDNA判別手法の開発
Project/Area Number |
20580270
|
Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小出水 規行 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農村環境部・生態工学研究室, 主任研究員 (60301222)
|
Keywords | Misgurnus anguillicaudatus / ミトコンドリアDNA / シトクロームb遺伝子 / 系統解析 / 栃木県 / 水田生態系 |
Research Abstract |
本研究の目的は国内外産ドジョウのDNA判別マーカーを開発し,水田生態系の保全に向けて国内におけるドジョウの遺伝特性の実態を解明することである。平成21年度の主な実績は次のとおりである。 1.ミトコンドリアDNAマーカーの開発:全国123市町村で採捕された444個体のサンプルについて,ミトコンドリアDNAにおけるチトクロームb遺伝子の塩基配列(1,131塩基)を解析した.特定された123個のハプロタイプの塩基配列(GenBank照会番号:AB473261~AB473407)を用いて,最節約法による系統樹を構築した結果,3つの遺伝的クレード(分岐群)が確認された.各クレードは関東北部から北に点在するヨーロッパドジョウ系,東北南部から西に分布する中国ドジョウ系,地域的または全国的に分布し,7つのサブクレードから構成される在来ドジョウ系と推定された.さらに,ドジョウとカラドジョウ間には170塩基(全体の約15%)程度の違いも確認された.チトクロームb遺伝子の塩基配列は種判別マーカーとして利用できる可能性が示唆された. 2.栃木県サンプルの分析:渡良瀬川,鬼怒川,那珂川の各水系で採捕された計45地点,384個体のサンプルについて,体長計測と同時に外部形態を目視確認した.全個体の体長mmは平均60.6±標準偏差18.9(最小24~最大140)となり,そのうち,カラドジョウの特徴(ドジョウと比べて体高が大きく,尾柄部が短い)をもった個体が52(全体の14%),不明が51(13%)となった.全個体のDNAを抽出し,シトクロームb遺伝子の塩基配列の決定とその塩基配列を用いた系統解析を進めている.
|
-
-
-
[Presentation] Genetic structure analysis of populations of freshwater fish around paddy fields in Japan using microsatellite DNA : case study of Japanese endangered species, the Japanese eight-barbel loach, Lefua echigonia2009
Author(s)
Koizumi, N., Watabe, K., Mizutani, M., Takemura, T., Mori, A.
Organizer
33rd IAHR Congress
Place of Presentation
Vancouver, Canada
Year and Date
2009-08-13