2008 Fiscal Year Annual Research Report
切り花リンドウ花弁の紫外線反射率上昇現象の機構解明とその収穫期・鮮度判定への応用
Project/Area Number |
20580282
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
庄野 浩資 Iwate University, 農学部, 准教授 (90235721)
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Keywords | 切り花 / リンドウ / 分光計測 / 紫外線画像 / 画像計測 |
Research Abstract |
・紫外線画像輝度値の上昇と花粉の成熟期との時間的関連性に関する解析 本年度(平成20年度)は、これまで子房柱頭部の目視レベルの形状変化を基に設定していた現状の5段階の成熟レベルを見直し、再設定した。具体的には、多数のサンプルを対象に、花粉の成熟に伴う葯の形状変化を微細に観察した。その結果、新たな4段階の成熟レベルを設定した。結果として時間分解能が低下したが、実際の成熟の進行速度とより同速度に連動することが期待できる。さらに本年度は、「八幡平市花卉研究開発センター」との連携で、収穫直後のサンプルを多数確保し、主力2品種(特に'安代の秋')のサンプルを必要十分な数量用いて、花粉の成熟状況の確認と、紫外線画像の撮影実験を実行し、多数の画像データを集積した。今後の画像データ解析により、紫外線画像輝度値の上昇時期と花粉の成熟の時期との関連性がより明確に解明されると期待できる。また本年度は、新たに偏光フィルターを用いて測定した画像と紫外線画像の比較検討を行った。その結果、両者とも成熟レベルとの連動性が認められたが、偏光画像から得られる画像指標が線形的であるのに対し、紫外線画像からのものは従来の結果と同じく非線形性が強い結果となった。両画像の関連性に糊する検討は今後の課題である。尚、本年度における研究上重要な進展としては、デジタル撮影可能な高倍率・高解像度の顕微鏡関連装置を整備した点である。今後、紫外線画像や偏光画像などと成熟レベルとの関連性を確認する上で、花弁表面部の形態学的な変化の観察が十分可能な態勢が整備されたと期待できる。
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