2009 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛プロトポルフィリンIX形成機構の解明とその応用
Project/Area Number |
20580288
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
若松 純一 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 助教 (30344493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西邑 隆徳 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (10237729)
|
Keywords | 亜鉛プロトポルフィリンIX / パルマハム / 色調 / 食肉制品 |
Research Abstract |
発色剤無添加の食肉製品に特異的に形成される亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPP)形成機構を明らかにすることは、発色剤無添加でも色調の望ましい食肉製品の開発が可能となるかもしれない。豚肉中のZPP形成に寄与する成分として、我々はこれまで水溶性成分と不溶性成分の2成分が必要であると明らかにしたが、平成20年度の研究において水溶性成分を中心に検証したところ、成分について特定することはできなかったが、限外ろ過等により10kDa以下の成分と100kDa以上のタンパク質が不可欠で、10kDa以上の成分は前駆物質のプロトポルフィリンIX(PPIX)の形成にも寄与するため、亜鉛ではない可能性が示された。イタリアで実際に販売されている発色剤無添加のサラミを測定したところ、多量のZPPが形成されており、色調も望ましいものである。効率的にZPPを産生させるために、ZPP形成能について可食できる組織を検討したところ、肝臓(レバー)と腎臓が高く、肝臓では骨格筋(食肉)のおよそ10倍高いことが示された。そこで、ZPP形成能が著しく高い豚レバーを用いて、加熱ソーセージの色調改善効果を検討したところ、ZPPは多量に形成するものの、レバーの色調が強く出るために、色調改善することができなかった。一方、非加熱のサラミ中にZPPを形成させて色調改善を試みたところ、レバー添加によりZPP形成量は増大した。しかし、ZPPは劇的には増加しなかった。この原因としてレバー添加するとZnケラターゼ活性は増加したが、乾燥・熟成中にその活性が大きく低下したことが原因と考えられた。
|