2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニーム(インドセンダン)成分の機能性評価と高度利用に関する研究
Project/Area Number |
20590015
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋久 俊博 Nihon University, 理工学部, 教授 (30060213)
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Keywords | ニーム / リモノイド / メラニン産生抑制 / 抗腫瘍活性 / 発がん予防効果 |
Research Abstract |
ニーム(Azadirachta indica;インドセンダン;センダン科)はインド原産の常緑樹であり,インド伝承医学であるAyurvedaにおいては最も重要な植物のひとつとされている.本研究は,ニームのさらなる高度利用を図るために,ニーム成分の探索と生物活性機能(メラニン産生抑制活性,抗腫瘍活性など)の評価を行い,ニーム成分を素材とした新たな優れた機能性分子の創製を目的とする.本年度は種子部及び葉部成分について研究を行った.ニーム種子メタノール抽出物から38種のリモノイド化合物及び1種のジテルペノイドを単離した.これらについてマウスB16 melanoma細胞におけるメラニン産生抑制試験を行い,2種を除く全ての化合物に参照化合物であるArbutinを上回る活性を認めた.また,これらのうち17-Hydroxynimbocinol, 17-Epi-17-hydroxy-15-methoxynimbocinol, Nimolicinol, Nimbin, 6-Deacetylnimbin, α-Nimnolactone, Desfuranoazadiradioneは顕著な細胞毒性を示さず,安全性の高い美白剤となり得る可能性が示唆された.一方,ニーム葉部エタノール抽出物より8種のリモノイド化合物Nimbinene, Nimonol,6-Homodesacetylnimbin, Nimbolide,6-Deacetylnilnbin,6-Deacetylnimbinene, Desacetylnimbinolide及び2′,3′-Dehydrosalannolを単離した.ヒト白血病細胞HL60における細胞傷害活性試験ではNimonol (2)には参照化合物Cisplatinと同程度の活性を,また,Nimbolideには極めて強い活性を確認した.
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