2008 Fiscal Year Annual Research Report
O-GlcNAc修飾を介した酸化ストレス応答因子の解析
Project/Area Number |
20590082
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
三浦 ゆり Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 主任研究員 (00216574)
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Keywords | シグナル伝達 / 放射線 / ストレス / 脳・神経 / O-GlcNAc |
Research Abstract |
本研究は、活性酸素による情報伝達システムにおけるO-GlcNAc化修飾タンパク質の機能的重要性とO-GlcNAc化の制御機構について明らかにすることを目的とする。本年度は実験系を構築するため、培養細胞に種々の酸化ストレスを負荷し、O-GlcNAc化タンパク質の変動を検討した。酸化ストレスは、AAPH(2,2'-azobis(2-aminopropane)dihydrochl oride)、MEN(2-methyl-1,4-naphthoquinone)、MV(methyl viologen)、t-BuOOH(、tert-butyl hydroperoxide)を添加することにより負荷し、24時間後の細胞生存率をcalcein/EthD1及びトリパンブルーを用いて調べた。その結果、脂溶性の高いMENが最も毒性が高く、tBuOOH、MV、AAPHの順に毒性が低くなっていたことから、活性酸素発生剤の細胞毒性は生成する活性種よりも脂溶性の高さに依存していることが示唆された。次に、酸化ストレスを負荷したときのO-GlcNAc化修飾タンパク質の変動を、O-GlcNAc化修飾タンパク質特異的抗体を用いたウェスタンブロッティングにより検討した。細胞内には数多くのO-GlcNAc化修飾タンパク質が存在するが、分子量が60-70付近、90-100付近、110-150付近に主なバンドが検出された。O-GlcNAc脱離酵素であるO-GlcNAcaseの阻害剤、STZ(streptozotocin)の添加によりO-GlcNAc化タンパク質は増加したが、MV及びt-BuOOH添加による酸化ストレス負荷により110-150付近のO-GlcNAc化タンパク質が減少する傾向が認められた。
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