2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病・肥満モデルマウスにおける薬物動態変動に関する研究
Project/Area Number |
20590160
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
伊藤 清美 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (60232435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 敏之 武蔵野大学, 薬学研究所, 助教 (10584815)
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Keywords | 糖尿病治療薬 / 薬物間相互作用 / 薬物代謝酵素 / 薬物トランスポーター / 薬物動態 |
Research Abstract |
糖尿病治療薬であるrepaglinideの血中濃度は、itraconazole(ICZ)あるいはgemfibrozil(GEM)の併用により上昇することが報告されており、この相互作用には肝取り込みトランスポーターであるorganic anion transporting polypeptide(OATP)1B1、薬物代謝酵素であるcytochrome P450(CYP)2C8およびCYP3A4の阻害が関与すると考えられている。本研究では、両薬物を併用したときの血中repaglinide濃度の劇的な上昇が、これらの阻害を組み込んだ生理学的薬物速度論モデルにより理論的に説明できるか否かを検討した。 4条件(Control、ICZ併用時、GEM併用時、ICZ・GEM両者併用時)におけるrepaghnideの血中濃度-時間曲線下面積(AUC)の報告値から、ICZおよびGEMによる代謝酵素およびトランスポーター阻害率を見積もった。その結果、ICZによりCYP3A4が約80%阻害され、GEMによりOATP1B1が約50%、CYP2C8が約95%阻害されると設定することで、各条件におけるrepaglinideのAUC上昇を説明できることが明らかとなった。これらの阻害の程度は、各々の特異的基質との相互作用から考えて妥当であった。 さらに、これらの値を生理学的薬物速度論モデルに組み込むことにより、臨床で報告された各条件での血中repaglinide濃度推移をほぼ再現することができた。すなわち、ICZとGEMを併用した際の血中repaglinide濃度の劇的な上昇は、GEMによる肝取り込み阻害およびICZとGEMによる代謝阻害で理論的に説明できることが示された。
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Research Products
(4 results)