2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590224
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
立山 充博 National Institute for Physiological Sciences, 分子生理研究系, 准教授 (30276472)
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Keywords | 代謝型グルタミン酸受容体 / FRET / マルチシグナリング |
Research Abstract |
「代謝型グルタミン酸受容体が複数のG蛋白質を活性化しうること」を一分子観察により可視化する目的のもとにて以下の研究を行った。mGluR1はホモ2量体を形成するが、G蛋白質との会合は二つの内の一つのサブユニットで起こる。そこで細胞内領域に蛍光蛋白質を挿入したmGluR1(G蛋白質との会合が出来ない)と野生型mGluR1(G蛋白質との会合が出来る)のヘテロ2量体を構成させた。これに、YFPを付加した各G蛋白質を共発現させ、受容体・G蛋白質間のFRETを検出する計画を立てた。そこで、先ず、野生型の各G蛋白質とヘテロ2量体との機能的会合を確認した。驚いたことに、Gq蛋白質とヘテロ2量体との機能的会合は確認できたが、Gi/0との会合は確認できなかった。この点を詳細に検討した結果、mGluR1二量体において一つのサブユニットがG蛋白質との結合不全が起きた場合に、活性化されるシグナル伝達が異なることを見出した。現在、論文として投稿準備中である。一方、細胞内ループではなく受容体C末端にCFPを付加したコンストラクトでの野生型G蛋白質との機能的会合を確認した。このmGluR1コンストラクトとYFPを付加したG蛋白質との間でのFRET効率を測定し、リガンド投与によるFRET効率の変化を検討したが、変化を検出するには至っていない。この原因として、G蛋白質と同程度の大きさをもつ蛍光蛋白を付加したことによる立体障害が考えられる。そこで、受容体とG蛋白質間でのFRET効率変化をとらえることが出来るようなG蛋白質の標識法を検討している段階である。
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