2010 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質および大脳辺縁系におけるGABA作動性トニックシグナルと不安のメカニズム
Project/Area Number |
20590229
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 順子 弘前大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30334965)
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Keywords | GABA / tonic current / 卵巣切除 / 扁桃体 / スライスパッチクランプ / ステロイドホルモン |
Research Abstract |
昨年に引き続き不安様行動をおこすPRIP-1ノックアウトマウス、および野生型マウスを用いて扁桃体を含む脳スライスを用いてホールセルパッチクランプ法による解析を行った。KOマウスでは、扁桃体主要細胞においてbicuculline methiodide,NO711に対する応答が減少しており、優位にTonic GABAergic currentの減少を生じていることを明らかにした。GABA受容体サブユニット特異的アゴニストアンタゴニト、zolpidem,diazepam,ethomidate,THDOC,THIP,ethanol,を用いて薬理学的検討を行ったところ、α1サブユニット、βサブユニットの関与が示唆された。今後、RT-PCR法、westernblot法を用いて分子生物学的検討を行う予定である。次に卵巣切除雌マウスを作製し、プロゲステロン投与群と非投与群で手術2週間後のプロゲステロン量をELISA法により比較した。プロゲステロン投与群では血中プロゲステロン量が優位に増加していた。これにより、マウスの性周期を人工的にコントロールできることが確認された。次にこれらの動物を用いて不安様行動解析を行った。プロゲステロン非投与群は投与群に比べ不安様行動が増加傾向にあるものの有意差は見られなかった、現在さらに検討中である。また、これらの実験に並行してPRIP-1KOマウスの痛みに関する感受性とトニックカレントの関係を明らかにした。さらに、PRIP1-KOマウスがてんかん様発作を生じ、海馬CA1のGABA作動性トニックカレントに異常をきたしていること、diazepam感受性が低下していることを発見した。これらの関係をまとめ、2報の論文として投稿した。
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Research Products
(5 results)