2008 Fiscal Year Annual Research Report
長時間作用型核酸医薬(リボン型デコイ)の開発と有効性の検討
Project/Area Number |
20590251
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 隆 Osaka University, 医学系研究科, 特任研究員 (40219746)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 義明 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座准教授 (60372611)
|
Keywords | 核酸医薬 / 動脈瘤 / デコイ |
Research Abstract |
本年度の研究目的は従来の2重鎖デコイの断端を環状に閉鎖することで分解を遅らせるリボン型デコイの有効性の検討と改良型の開発である。 まず動脈瘤の発症・進展に関与する転写因子NFkBとEtsに対するリボン型デコイを合成し、マクロファージ系細胞の培養実験で蛋白分解酵素であるマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)の分泌抑制効果を検討した。リボン型デコイと従来型デコイは共にMMP-2とMMP-9の分泌を抑制した。さらにリボン型デコイは従来型に比べ有意に強力なMMP-9抑制効果を示した。 次にリボン型デコイを使った動脈瘤の低侵襲治療法として、腹腔内投与による治療効果をラット動脈瘤モデルで検討した。ミニポンプで1週間デコイを持続投与すると、従来型デコイ群では効果がなかったが、リボン型デコイ群はコントロール群と比較して有意に動脈瘤の進展を抑制した。病理検査では弾性繊維の破壊を抑制しており、そのメカニズムの検討ではマクロファージの浸潤は抑制しないが、マクロファージが分泌するMMP-9の活性を抑制した。またその他の蛋白分解酵素であるMMP-12、カゼプシンB、カゼプシンKの蛋白発現も抑制しており、マクロファージの機能を制御していると考えられた。従来型は侵襲が伴う動脈瘤への局所投与が必要であったが、リボン型デコイは腹腔内投与で治療効果が得られ、新しい低侵襲治療法となる可能性が示された。 さらに静脈内投与を目指してリボン型デコイの改良を進めている。デコイの安定性を高めるため部分的にS化を加えたリボン型デコイをマウス動脈瘤モデルに静脈内投与する実験を実施中であり、次年度もデコイの改良と効果の検討を予定している。
|
Research Products
(1 results)