2010 Fiscal Year Annual Research Report
長時間作用型核酸医薬(リボン型デコイ)の開発と有効性の検討
Project/Area Number |
20590251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 隆 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 寄付講座特任助教 (40219746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 義明 大阪大学, 医学系研究科, 寄付講座准教授 (60372611)
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Keywords | 核酸医薬 / 動脈瘤 / デコイ |
Research Abstract |
動脈瘤に対する無侵襲治療法として、全身投与の可能な核酸医薬(デコイ)の研究開発を行った。これまでに動脈瘤に関与する転写因子NFκBとEtsを阻害するリボン型デコイの腹腔内投与による有効性を動物実験で確認してきたが、作用機序の詳細な検討を進めた。この結果は国際学会(International society of hypertension)で発表し、学術雑誌Molecular Therapyに掲載された。 次に、リボン型デコイをベースとして生体内での安定性を高めたスペイサー型NFκBデコイとDDS機能を持ったNFκBデコイ封入ナノ粒子を新規開発したので、その有効性を検討した。デコイ封入ナノ粒子は、ヒト単球系のTHP-1細胞と血管平滑筋細胞のNFκB活性を低用量で低下させ、サイトカイン・ケモカインの産生を有意に抑制した。この細胞実験では特殊な導入方法が不要であり、生体での高い導入効率が期待された。動物実験はApoE欠損マウスにアンジオテンシンIIを持続皮下投与して作成する動脈瘤モデルを使い、動脈瘤が形成される4週後から新規デコイの静脈投与を週1回行った。コントロール群の血管径は拡張したままだが、どちらの治療群も1週間毎に約10%の瘤径減少が観察された。また静脈内投与された新規デコイは血管外膜側と周囲組織に浸潤したマクロファージに導入されており、肝臓、腎臓そして肺にも蛍光シグナルを認めている。 本研究開発ではデコイの改良によって動脈瘤の縮小効果が確認された。臨床では、動脈瘤症例が対象となるため、日常の診療で行える静脈投与によって縮小効果を持つデコイ療法の確立は大きな意義を持っている。さらに血管特異性をデコイに付与できれば、新しい治療法になると考えている。
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