2010 Fiscal Year Annual Research Report
横紋筋肉腫細胞株からのPAXファミリー遺伝子の関与しない新規のキメラ遺伝子の同定
Project/Area Number |
20590365
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
嘉数 直樹 島根大学, 医学部, 准教授 (20264757)
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Keywords | 横紋筋肉腫 / 病型特異的転座 / キメラ遺伝子 |
Research Abstract |
胞巣型横紋筋肉腫の約半数以上に特異的な転座としてt(2;13)(q35;q14)かt(1;13)(p36;q14)を認める。前者の2q35切断点、後者の1p36切断点上にはそれぞれ、PAX3遺伝子、PAX7遺伝子のいずれもPAXファミリー遺伝子が局在している。これらの遺伝子と13q14切断点上の、FOXO1遺伝子が転座にともなってキメラ遺伝子を形成していることが知られ、横紋筋肉腫の発生に深く関与している。我々は、1p36バンドに転座切断点を有するにもかかわらず、その切断点上にPAX7遺伝子が局在していない横紋筋肉腫細胞株を見いだしていた。この場合、切断点上にPAX7と異なる新規の原因遺伝子が局在し、転座によってPAXファミリー遺伝子の関与しないキメラ遺伝子を形成していることが示唆された。 当該年度は、上記の1p36切断点をカバーすることが明らかになったbacterial artificial chromosome(BAC)クローン内にプローブを設定し、本細胞株のgenomic DNAを対象にSouthern blot解析を何回か行った。しかし、non-RIで行ったため、検出感度が弱く、明瞭なバンドが得られにくかった。また、転座にともなって切断点領域に微細な欠失が生じている可能性が示唆され、解析を一層困難にした。現在は、1p36切断点の転座相手であるもう一方の13q12切断点側から新規原因遺伝子にアプローチしている。
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