2008 Fiscal Year Annual Research Report
「分裂破局死」を癌細胞に誘導する分子創薬へ向けたアプローチ
Project/Area Number |
20590391
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧本 将人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (30179585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落谷 孝広 国立がんセンター研究所, 室長 (60192530)
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Keywords | 分裂破局死 / 癌細胞 / D40 / 分子標的 / 分子創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
D40遺伝子に対するRNA干渉(RNA interference ; RNAi)を用いて癌細胞内のD40蛋白質の発現を抑制することにより、ヒト培養癌細胞の増殖が抑制され、細胞死が起こることを明らかにすることを試みた。この目的のため、ヒト培養子宮頸細胞株であるHeLaを用い、D40遺伝子に対する合成RNA(D40 siRNA)を用いたRNA干渉により検討した。 細胞増殖抑制効果の検討のために、D40遺伝子の塩基配列に対する合成二重鎖RNA(D40 siRNA)をリポフェクション法により、HeLa細胞にtransfectionした。その後経時的にtrypan blue dye exclusion法により生細胞数を算定し、コントロールの合成二重鎖RNA(control siRNA)を導入されたHeLa細胞と比較し、それぞれの増殖曲線を求めた。その結果、D40 siRNAを導入されたHeLa細胞では、コントロールに比べ、明らかな細胞増殖の抑制が認められた。 細胞死のassayには、まずtrypan blue dye exclusion法により死細胞数を算定した。D40 siRNAを導入されたHeLa細胞では、コントロールの合成二重鎖RNA(control siRNA) を導入されたHeLa細胞に比べ、明らかな死細胞の増加が認められた。また、Hoechst33342により核染色を行い、核の凝縮、断片化を検討したところ、D40 siRNAを導入された細胞では、control siRNAを導入された細胞に比べ、核の凝縮、断片化した細胞の増加を認めた。さらに、Propidiudm Iodine核染色によりFACSを用いた定量的な細胞周期解析を行ったところ、D40 siRNAを導入されたHeLa細胞ではcontrol siRNAを導入された細胞に比べ、subG1期の細胞の著明な増加を認めた。
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