2009 Fiscal Year Annual Research Report
「分裂破局死」を癌細胞に誘導する分子創薬へ向けたアプローチ
Project/Area Number |
20590391
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧本 将人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (30179585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落谷 孝広 国立がんセンター研究所, 室長 (60192530)
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Keywords | 分裂破局死 / 癌細胞 / D40 / 分子標的 / 分子創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、D40遺伝子に対するRNA干渉(RNA interference ; RNAi)を用いて癌細胞内のD40蛋白質の発現を抑制することにより、ヒト培養癌細胞の増殖が抑制され、細胞死が起こることを明らかにすることを明らかにすることを試みた。特に、ヒト培養子宮頸細胞株であるHeLaに対し、より簡易でより効率良く、D40遺伝子に対するRNA干渉(RNA interference ; RNAi)が起こる条件を検討した。また、さらにHeLa以外の細胞株、特に癌抑制遺伝子産物p53が全く発現していない細胞株(p53null細胞)においても、細胞の増殖が抑制され、細胞死が起こることを明らかにすることを試みた。 昨年度、D40遺伝子の塩基配列に対する化学合成した二重鎖RNA(D40 siRNA)をHeLa細胞に導入するリポフェクション法として、前日に細胞をplatingし, 当日Oligofectoamineを用いて血清の非存在化でtransfectionしていた。今年度は、細胞のplatingとtransfectionを同時に行うことができ、且つ、transfection中も血清存在化で行うことができるLipotrustを用いた。これにより、二重鎖RNAをより簡便に細胞に導入することができた。また、D40蛋白質の発現抑制の程度も前年度に比べ同等またはそれ以上の成績であった。 D40 siRNAによる細胞死がp53に依存しないか否かを検討するため、ヒト癌培養株の中でも、p53遺伝子の両Alleleが変異欠失を起こしたためp53蛋白の発現が全く認められないp53 null細胞(ヒト培養前立腺癌株PC-3M)を用いて実験を試みた。Preliminaryな結果であるが、D40 siRNAを導入されたPC-3M細胞では、コントロールに比べ、細胞増殖が抑制される傾向が認められた。
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