2011 Fiscal Year Annual Research Report
「分裂破局死」を癌細胞に誘導する分子創薬へ向けたアプローチ
Project/Area Number |
20590391
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀧本 将人 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (30179585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落谷 孝広 国立がんセンター研究所, 分子標的研究グループ, 分野長 (60192530)
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Keywords | D40 / D40siRNA / がん細胞 / 増殖抑制 / 細胞死 / p53 nul 細胞 / 細胞死 |
Research Abstract |
昨年度までD40遺伝子に対るshort inhibitory RNA (D40siRNA)を用いたRAM干渉により、ヒト培養がん細胞内のD40蛋白質の発現を抑制することで、がん細胞に細胞死が起こりその増殖が抑制されることを明らかにした。今年度は、D40siRNAががん細胞に細胞死を誘導するメカニズムと動物実験におけるD40siRNAのがん細胞増殖抑制効果を明らかにすることを目的として研究をすすめた。 多くの原発ヒトがんではがん抑制遺伝子p53が不活性化している。D40siRNAが、p53が全く発現していない細胞株(p53 null細胞)であるヒト前立腺がん細胞株PC-3Mに対しても増殖抑制効果を示すか否か、及びD40 siRNAが細胞死を誘導するか否かを検討した。その結果、p53null細胞においても、D40 siRNAを導入することで、細胞増殖が抑制されるという実験結果を得ることができた。 また、PC-3M細胞にはD40si RNAにより細胞死が誘導されていることを明らかにした。この細胞死がミトコンドリアを介する経路を利用するか否かについて検討した。方法として、D40siRNAをPC-3M細胞に導入した後ミトコンドリアからcytochrome cが細胞質内に放出されるかをELISA法により定量的に検討した。その結果、D40 siRNAを導入されたがん細胞では、細胞内に於けるcytochrome cの量が明らかに増加していることを示す実験結果を得た。 動物レベルの実験において、D40 siRNAががん細胞の増殖を抑制できるか検討した。ヌードマウスにPC-3Mを移植(静注)し、D40 siRNAを数回静注投与した。その結果、D40 siRNAがPC-3M細胞の増殖(転移)を抑制するという実験結果を得た。
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