2008 Fiscal Year Annual Research Report
リステリアの細胞質内侵入依存的カスパーゼ1活性化の分子機序とオートファジーの関与
Project/Area Number |
20590440
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野村 卓正 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (40362529)
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Keywords | 細胞内寄生菌 / リステリア / エスケープ / マクロファージ / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
細菌が感染したマクロファージは、菌を殺菌処理するだけでなく、微生物由来の異物分子を認識して種々の炎症性サイトカインを産生することで初期免疫応答を惹起する。リステリアは、マクロファージに貪食された後、食胞から細胞質に侵入して増殖する細胞内寄生菌であるが、リステリア感染マクロファージでは、菌の細胞質への侵入に伴い、通常の細菌感染よりも強い炎症性サイトカイン応答や細胞死が引き起こされる。本研究は、その強いサイトカイン応答がどのようにして引き起こされるのか、その機序を解明することを目的としているが、初年度は、リステリアの感染マクロファージの細胞質内への侵入に伴い、感染マクロファージにどのような変化が引き起こされるのか調べるため、リステリア野生株および細胞質へ侵入できないhly遺伝子欠損変異株をそれぞれ感染させたマウス腹腔内マクロファージからtotal RNAを回収し、細胞質内の異物認識受容体群の遺伝子を中心にその遺伝子発現レベルの感染後の変化を観察した。その結果、幾つかの異物認識受容体遺伝子において菌の細胞質内侵入に伴い特異的に発現レベルの増加が認められた。これらの異物認識受容体が細胞質内に侵入してきた菌を異物として認識している有力な候補であると考えられることから、次年度は、これらの受容体遺伝子の発現を人為的に抑制した時の炎症性サイトカイン応答について解析を進める計画である。
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