2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療サービスを利用する高齢者による攻撃や暴力へのケアモデルの開発と有効性の検討
Project/Area Number |
20590529
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鈴木 啓子 名桜大学, 人間健康学部, 教授 (60224573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 祥教 名桜大学, 人間健康学部, 教授 (00205056)
永田 美和子 名桜大学, 人間健康学部, 講師 (50369344)
伊礼 優 名桜大学, 人間健康学部, 講師 (90336983)
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Keywords | 高齢者 / 攻撃的行動 / 問題行動 / ケアモデル / 危険防止 / 危機予防 / リスクマネジメント / 一般診療科 |
Research Abstract |
本研究の今年度の目的は、心身の健康問題を抱え一般の医療機関で入院治療を受けている高齢患者から、看護職が受ける攻撃的行動や暴力へのケアモデルを開発し、検証することである。文献検討および臨床における優れた実践を行なっていると評価された医療機関における高齢患者からの攻撃や暴力への効果的ケアについての検討をふまえ作成したケアモデルについて、今年度は事例を追加しさらに分析を加え、洗練を図った。その結果、ケアのプロトコールとしては、個々の患者の身体的・精神的な状態の把握、いまだに満たされていない患者の身体的・精神的ニーズに関する継続的・体系的な情報収集とアセスメント、患者・看護師関係の促進、仮説に基づいた創造的なケアの試行、そして、患者の特異的な精神科的問題についての精神科医へのコンサルテーションと向精神薬の処方の検討が上がった。また、危機予防的介入としては、高齢患者の攻撃的行動の深刻さに合わせて、通常の状態から、患者の不安やいら立ちが強まり、さらに患者自身および看護師への危険性が高まる段階に合わせて、患者の不安や混乱を緩和する介入、患者の攻撃的行動を予防する介入、そして、患者および看護師への危険性を回避するための介入の3パターに整理された。攻撃的行動や暴力行為の見られた高齢者の50事例に対するケアの実際とその効果について看護記録を詳細に分析し、看護実践を質的記述的に検討した結果から、導き出したものであるが、これにより導かれたケアモデルについて臨床の熟練看護師および管理者にその有効性について検討を行った。臨床看護師からはケアモデルとして活用できるという評価を得ることができた。いくつかの課題も残った。今後、さらに事例の分析を重ね、効果的介入方法を明確化していく必要があるものと考える。
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Research Products
(4 results)