2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子素因に基づくニトログリセンリン生体応答性の客観的評価とその個別医療への応用
Project/Area Number |
20590553
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Hakodate National Hospital |
Principal Investigator |
米澤 一也 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Hakodate National Hospital, 臨床研究部, 部長 (20301955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 健 大阪大谷大学, 薬学部・生化学講座, 助教 (60434809)
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Keywords | ファーマコゲノミックス |
Research Abstract |
1)GTN(ニトログリセリン)に対する反応性の評価 GTNが生体内でどの程度反応するかを調べるため、より簡便な方法としてエコーによる上腕動脈の血管拡張反応を評価する手技を確立した。この測定系の準備と測定技術の習得を中心に行い、ほぼ安定して血管拡張反応を経時的に評価できるシステムを構築できた。この方法により非観血的かつ無侵襲に比較的短時間で生体のGTNへの反応性を定量評価できるようになった。次年度以降にデータ収集を開始できる体制が整った。 2)ALDH2のgenotyping ALDH2の酵素活性に対して著しい影響を与えるGlu504Lysを導く一塩基多型(single nucleotide polymorphism;SNP)の判定に関して、ゲノムDNAの抽出をせずに、末梢血からPCRダイレクトシークエンシング法によって当該遺伝子多型(wt/wt,wt/mt,mt/mt)を判定する再現性の高いハイスループット系を確立した。また、血液の保存温度や凍結・融解回数、反応への持ち込み血液量が本判定方法におけるPCRの段階へどのような影響を与えるのかを検討し、最適な条件を見出した。さらに本判定方法を用い、約10人の血液試料よりALDH2の当該遺伝子多型を決定した。 3)ALDH2のSNP型を簡便かつ安価に推定するための基礎研究 ALDH2の活性は飲酒時の耐性と強く関連する。飲酒時の発赤や動悸、飲酒可能量などに関するのアンケートを作成し、前述のgenotypingとの関連を調べ、より確実にgenotypeを推定できるようにアンケート内容の改良を行った。次年度以降も改良を加えより予測適合性の高いものへと改良の予定である。
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