2010 Fiscal Year Annual Research Report
S100A8/A9・サイトカイン複合体による炎症性疾患診断システムの開発
Project/Area Number |
20590567
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池本 正生 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80144385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
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Keywords | S100A8/A9 / サイトカイン / 好中球 / マクロファージ / 急性炎症 / フィブロネクチン / アンチトロンビンIII / プラスミノーゲン |
Research Abstract |
前年度において,S100A8/A9固定化アフィニティーカラムを用いてS100A8/A9が血清中成分のフィブロネクチン、アンチトロンビンIII、プラスミノーゲンなどのタンパク質と結合することを報告したが、実際にその複合体が存在するのかどうかは確定的ではなかった。本年度においては抗S100A8/A9抗体固定化カラムを用いた異なる原理による方法で複合体を形成するS100A8/A9を捉えることにより、これらの複合体を検出することを試みた。その結果、約5~7種類の複合体を検出することができた。質量分析法により同定したところ、フィブロネクチンの他にC3, CD5, clusterinなどのタンパク質との複合体であることが判明した。そこで、フィブロネクチン、アンチトロンビンIII、プラスミノーゲンとS100A8/A9との複合体を検出するために、これらの成分に対するモノクローナル抗体の作製を試みたところ、特異性の高い抗体を得ることができた。これらの抗体を用いてELISAを構築し、移植後の患者血清中における複合体の検出を試みた。その結果、フィブロネクチン、アンチトロンビンIII、プラスミノーゲンとの複合体すべてが存在していることを検証することができた。しかし、これらの複合体形成が生理的、免疫学的にいかなる意味を有しているのか、DICに対するバイオマーカーとなりうるのかどうかについては、不明である。しかし、これらの複合体、とくに凝固線溶系の因子との複合体の形成がいかなる意味有するのかが注目される。今後は、これら複合体がどのようなメカニズムで形成され、どのような臨床的意義を有するのかを、in vitroの系で検証することを目指したいと考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Identification of serum proteins that bind with S100A8, S100A9 and S100A8/A9: clinincal significance of using proteins for monitoring the Postoperative condition of liver recipients2010
Author(s)
Namura T, Arai S, Okawa K, Koike A, Yamada S, Saita N, Nagae A, Itoh H, Totani M, Uemoto S, Ikemoto M
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Journal Title
Clin Chim Acta
Volume: Vol.411
Pages: 1766-1773
Peer Reviewed
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[Journal Article] Enhanced Expression of the S100A8/A9 Complex in Acute Myocardial Infarction Patients2010
Author(s)
Katashima T, Naruko T, Terasaki F, Fujita M, Otsuka K, Murakami S, Sato S, Hiroe M, Ikura Y, Ueda M, Ikemoto M, Kitaura Y
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Journal Title
Circ J
Volume: Vol.74
Pages: 741-748
Peer Reviewed
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