2010 Fiscal Year Annual Research Report
間質性肺炎合併皮膚筋炎における疾患関連マーカー蛋白の定量プロテオミクスによる探索
Project/Area Number |
20590588
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10330078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
愼野 茂樹 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20268204)
松村 洋子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80388256)
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Keywords | 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / バイオマーカー / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
皮膚筋炎(DM)はゴットロン徴候やヘリオトロープ疹などの皮疹を特徴とする原因不明の炎症性疾患で、しばしば間質性肺炎(IP)を伴う。DMに伴うIPは臨床経過から急性/亜急性進行型(A/SIP)と慢性進行型に分けられ、特に前者のDM-A/SIPは予後が悪い。本研究では、近年確立された蛋白質・ペプチドを高感度に同定できるプロテオミクスの手法を用い、DM-A/SIP患者の血清から早期診断や病勢把握を評価できる新たなバイオマーカーを見出すことを目的とする。 治療前後のDM-A/SIP患者血清検体を用い、治療による血清蛋白の変動を二次元電気泳動で確認した。その結果、複数個のスポットにおいて蛋白量が増加あるいは減少していた。これらの蛋白を同定するために発現量に差のあるスポットをゲルから切り出し、ゲル内でトリプシン消化しペプチドの抽出し質量分析(MS)を行い解析した。CRPやα1ミクログロブリンなど炎症性蛋白が増加し、抗炎症性蛋白が減少したが、未同定の蛋白も残った。また、二次元電気泳動法を用いない安定同位体^<13>Cで標識された2-nitrobenzenesulfenyl chloride(NBS)試薬による定量プロテオミクス法により、量的および質的変動する血清タンパク質の同定を行った。二次元電気泳動法を用いた方法と同様に炎症蛋白・抗炎症性蛋白は同定できた。それら以外に、VitronectinやXなどの蛋白を同定した。これらの蛋白についてELISAなどの従来法で定量を確認し、疾患活動性指標として役立つことが明らかになった。
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