2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームと耐糖能異常の発症要因と予後に関する研究
Project/Area Number |
20590602
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
塩飽 邦憲 島根大学, 医学部, 教授 (10108384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 麻実子 島根大学, 医学部, 助教 (90432616)
|
Keywords | 前糖尿病 / 糖尿病 / 身体活動 |
Research Abstract |
1.島根県農村住民3840人について、性・年齢・肥満度別に空腹時血糖とHbAlcの関連を解析した。HbAlc6.1%以上または薬物治療を行っていたのは、男性,高齢者に多く,女性ではBMIとともに増加したが,BMI18.4%以下ではBMI18.5-22.9%よりも多かった。空腹時血糖値とHbAlcの関係は,40-59歳ではよい正相関を示すが,60歳以上では空腹時血糖正常でHbAlc高値が多くおり,高齢者では非肥満の食後高血糖が多いことが示唆された。 2.プロトンMR法により非侵襲的に肝臓と筋肉細胞内の脂肪量とインスリン抵抗性と関連を糖尿病および耐糖能異常の17名に対し、3ヶ月間の生活習慣変容プログラム前後で検討した。体重は2.5kg有意に減少し,部位別体組成では体幹脂肪(0.89kg)、体幹徐脂肪(0.49kg)、四肢脂肪(0.43kg)、四肢徐脂肪(0.40kg)が有意に減少した。肝臓細胞内脂肪、筋肉細胞内外脂肪はそれぞれ減少したが、有意な差はなかった。耐糖能では、HbAlc(-0.21%)、空腹時血糖(-7.2mg/dl)、インスリン(-1.5MU/ml)、HOMA-IR(-0.4)、Matsuda Index(5.2)の有意な変化を認めた。線形回帰分析では、介入前のインスリン感受性は介入前の体幹脂肪量と肝細胞内脂肪の少なさ、筋肉細胞外脂肪の多さが関連していた(R2乗0.85)。介入による空腹時血糖の改善には体幹脂肪および体幹徐脂肪の減少(R2乗0.61)、インスリン抵抗性の改善には肝細胞内脂肪の減少が関連していた(R2乗0.28)。軽度肥満を伴う耐糖能異常者では、インスリン抵抗性には筋細胞よりも肝細胞の脂肪量が関与していることが示唆された。
|