2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌のリスク要因としての生活習慣とインスリン抵抗性に関する症例対照研究
Project/Area Number |
20590672
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
大石 和佳 (財)放射線影響研究所, 広島臨床研究部, 臨床検査科長 (20393423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佐枝子 (財)放射線影響研究所, 広島臨床研究部, 部長 (70359454)
JOHN Cologne (財)放射線影響研究所, 統計部, 任期付研究員 (50344411)
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Keywords | 肝炎ウイルス / 肝細胞癌 / 生活習慣 / 炎症 / インスリン抵抗性 / コホート内症例対照研究 / 放射線被曝 |
Research Abstract |
研究デザインは、放射線影響研究所で長期追跡を行っている約20,000人の成人健康調査集団の中で、1970-2002年に肝細胞癌(HCC)を発症した224名と、性、年齢、都市、血清保存の時期と方法を合致させた対照者644名の保存血清を用いたコホート内症例対照研究である。 平成22年度は、HCC診断前0-6年未満に保存され、測定に必要な血液量を有する症例189名と対照者602名、HCC診断前6-16年に保存され、測定に必要な血液量を有する症例160名と対照者472名の血清を用いて、炎症およびインスリン抵抗性に関連するバイオマーカーの測定を終了した。 放射線量1Gy、HBVあるいはHCV感染に対するHCCの相対リスク[95%信頼区間(CI)]は、飲酒量、喫煙、BMIを調整し線量とHBV/HCV感染を同時にモデルに適合させた場合、それぞれ、1.82(1.09-3.34)、50(16-84)、87(37-251)であり、肝炎ウイルス感染と放射線被曝が独立してHCCリスクの増加に関連することが示された。また、40g/日以上の飲酒、BMI>25.0kg/m^2、現喫煙に対する非B非C型HCCの相対リスク(95%CI)は、放射線量を調整した場合、それぞれ5.49(0.98-39.2)、3.17(0.92-12.3)、5.95(1.34-33.2)であり、現喫煙で有意なリスク増加が認められた。 またHBV/HCV感染、飲酒量、喫煙、BMI、放射線量を調整した場合、CRPレベル(低値群、中間値群、高値群の3分位により層別化)とHCCの相対リスクに有意な関連は見られなかったが、IL-6レベルの低値群に対する中間値群と高値群のHCCの相対リスク(95%CI)は、それぞれ3.87(1.18-14.7)、5.28(1.60-20.6)であり、IL-6レベルの増加が有意にHCCリスクに寄与することが示された。
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Research Products
(11 results)