2008 Fiscal Year Annual Research Report
MRI装置を用いた死後画像診断におけるスペクトルデータの活用に関する基盤研究
Project/Area Number |
20590690
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平川 慶子 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (30165162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 曜吉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70152220)
崔 范来 日本医科大学, 医学部, 助教 (60424751)
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 特別研究生 (80465343)
佐藤 格夫 日本医科大学, 医学部, 助教 (30409205)
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
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Keywords | 社会医学 / MRI / 死後画像診断 / NMRスペクトル / メタボロミクス |
Research Abstract |
本研究は、MRI装置を用いたin vivo MRS測定にNMRメタボロミクス技術を応用し、死後画像診断時におけるNMRスペクトルデータの活用を実現するための基盤研究である。平成20年度は、死後早期において死後経過時間との関連が深いとされる骨格筋の死後硬直の発現と緩解に着目した。過去に行った急死モデルの動物実験データ(後述)を用いて、我々が確立したNMRメタボロミクスによる解析を行った。主成分分析法による代謝物プロファイルのマッピングでは、死後15分以内では、死因によるクラスター化が確認されたが、死後45分では各死因による特徴抽出は困難となった。硬直の発現の有無、開始時期、強度の変化、緩解開始の時期との関連づけの可否についての検討では、硬直発現前、硬直発現期、緩解期に特徴的な代謝物プロファイルを得ることができた。骨格筋組織の^1H NMRズペクトルデータは、死後早期であれば死因との関連が深く、また硬直の発現前から緩解開始期にいたるまで、組織内の代謝学的な変化を特徴づけることが可能であった。今後、MRI装置を用いてin vivoで骨格筋のNMRデータを測定し、メタボロミクスによる解析を行えば、死後画像診断における有用な情報となり得ることが示された。また、MRI連続測定による温度マッピングに関しても、基礎的な実験を行ったところ、死後経過時間に伴うラット死体組織内の温度低下の推移を示す画像の作成が可能であった。<動物実験>Wistar系雄ラットを用いて窒素100%チャンバー内放置(酸素欠乏)、塩酸コカイン(200mg/kg)腹腔内投与、臭化パンクロニウム(1mg/kg)腹腔内投与による急死モデルを作製し、心停止確認直後から死後48時間まで20℃にて一定時間放置し、大腿部骨格筋組織を採取し、液体窒素中で凍結後、0.6N過塩素酸にて低分子化合物抽出、^1H NMRスペクトルを測定した。
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Research Products
(2 results)