2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRI装置を用いた死後画像診断におけるスペクトルデータの活用に関する基盤研究
Project/Area Number |
20590690
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10267164)
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Keywords | 社会医学 / MRI / 死後画像診断 / NMRスペクトル / メタボロミクス |
Research Abstract |
我々は、MRIの死後画像診断への応用に関する基盤研究としてNMRスペクトルデータの活用に重点をおいた実験研究を進めており、これまでは主に代謝学的観点にたったアプローチを行ってきた。平成22年度は、あらたにスペクトル中の水分子のケミカルシフト値の変化に着目し、水分子由来のピークのケミカルシフト値のずれが組織内温度の変化と相関する特徴を生かした「MRI温度分布画像法」を用いた検討を行った。ラットをペントバルビタール過投与によって安楽死させ、15分ごとの測定を行い、死後330分後のデータを基準とした温度差分布画像を作成した。その結果、定量性については今後の課題であるものの、死体内部温の冷却挙動を十分に可視化することできた。早期死後経過時間の推定において、「死体の温度変化」に関する情報は重要であり、MRI技術によって、組織内温度分布の変化を可視化できた意義は大きい。 このほか、代謝学的研究をさらに推し進めるため、死因が死後MRIにおよぼす影響に関する基礎的研究として、「麻酔薬投与後の脳代謝変化」、「酸化ストレスが細胞におよぼす影響」「熱傷による体液成分の変化」などに関してラット、培養細胞等を用いた実験研究も行った。我々が独自に開発したNMRスペクトルデータの数値化法に関して、さらなる改良を行ってNMRデータ処理を行い、主成分分析、PLS-DA法などの多変量解析に関しても解析条件を最適化すれば、in vivo測定データへの応用も十分可能となる成績を得ることができた。
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Research Products
(6 results)