2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮化生への分化変更点での胃食道幹細胞の再プログラム化と癌幹細胞誘導機序の解明
Project/Area Number |
20590716
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今谷 晃 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30333876)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 / 癌 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
上部消化管における腸上皮進展過程では、ホメオボックス遺伝子Sox2が抑制され腸の形質表現型であるCdx2遺伝子が発現誘導することを見出している。これを踏まえて、腸上皮細胞への分化変更する際に必要な再プログラム化関連遺伝子を同定し、その異常で誘導されると考えられる分化型胃癌やBarrett腺癌の分子生物学的機序について解明することを目的としている。このため、Knockout Single Vector System for inducible RNAi (Clontech)に、Sox2siRNAの遺伝子導入しSox2抑制誘導システムを構築した。このシステムを、ヒト食道培養細胞株およびマウス胃培養細胞株に遺伝子導入し、遺伝子発現の変移の解析を行っている。また、幹細胞維持に重要な役割を果たしているNotch1遺伝子のsiRNAを同様に胃培養細胞株に導入し、DoxycyclineでNotch1を抑制するシステムを確立した。その結果、MTT法を用いた検討では増殖能は抑制され、また、Agilentのchipを用いたMicr。array解析では、stem cell markerの1つを考えられている糖タンパク細胞表面マーカーであるCD133が抑制されることを見出している。さらにMicroarray解析の結果で、有意に発現変動の認められた遺伝子群について、腸上皮細胞への分化変更する際に必要な再プログラム化関連遺伝子候補として、分化あるいは発癌に関与しているか検討を進めている。
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