2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590788
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
菅内 文中 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (20405161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 雅史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 客員教授 (40166038)
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Keywords | B型肝炎 / コアプロモーター / 遺伝子変異 / 肝癌 / 再活性化 / 遺伝子型 / 複製モデル / recombination |
Research Abstract |
治療前HBs抗原陰性で造血器悪性腫瘍に対する治療後にHBV再活性をきたした4例の保存血清よりHBV-DNAを抽出し、HBV組換え遺伝子型(r-HBV)の検索を行った。またin vitro HBV複製モデルを用いてウイルス変異とウイルス複製効率について検討した。HBV遺伝子型はBj 2例、Ce 2例でありr-HBVの存在は認めなかった。CP(1762/1764)配列は全例が野性株でPC(1896)変異株は1例に認めた。In vitro HBV複製モデルを用いた再活性化例の各HBVクローン間の比較検討では、重症肝炎による死亡例の遺伝子型BjかつPC変異陽性例のHBVクローンで複製がより亢進していた。40歳以下で発症した肝細胞癌14症例を対象として保存血清よりHBV-DNAを抽出しHBVの全塩基配列の決定を行いr-HBVの検索をおこなった。14症例の平均年齢は29.6±6.1歳(18~38)で男女比は10:4。HBe抗原陽性率は50%(7)であった。HBV全塩基配列を用いた系統樹解析では遺伝子型Ae, Ba(組み換え遺伝子型B/C), Ceがそれぞれ1、 1、 11例に認められ、残りの1例はSimPlotプログラム解析から2814番から1573番の塩基配列は遺伝子型Aeに分類され、1574番から2813番の塩基配列は遺伝子型Ceに分類される新たなr-HBV Ae/Ceであった。PreS領域において欠損変異が64%に認められヽPreS1とPreS2領域の欠損変異はそれぞれ35%と43%に認められた。X遺伝子のEnhancer II領域のC1653T変異は29%に認められた。コアプロモーター領域のA1762T/Gl764A変異は79%に認められた。プレコアのG1896A変異株は21%、野生株は57%、混在株は21%に認められた。本邦における40歳以下のHBV関連肝細胞癌発症例ではPreS領域の欠損変異とコアプロモーター変異との関連とともにr-HBVについても考慮する必要があると考えられた。
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Research Products
(13 results)