2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール性膵炎の病態解明とその革新的予防法の開発
Project/Area Number |
20590802
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 晃彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70312569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正宗 淳 東北大学, 病院, 助教 (90312579)
粂 潔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (30431563)
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Keywords | 膵炎 / アルコール / 線維化 / シグナル伝達 / 小胞体ストレス / 遺伝子多型 / CD14 / Toll-like recetor |
Research Abstract |
平成22年度は前年度に引き続き、ラット膵腺房細胞におけるUnfold protein response(UPR)の活性化について検討した。薬剤性小胞体ストレスとして作用する、小胞体カルシウムATPase阻害剤thapsigarginまたは蛋白質糖鎖負荷阻害剤tunicamycinにより膵腺房細胞を刺激した。小胞体シャペロンBinding Protein(BiP)の発現の変化をWestern blottingにより検討した。小胞体ストレスセンサーのひとつであるPERKとその下流で働くeukaryotic initiation factor 2(eIF2)の活性化を、抗リン酸化抗体を用いたWestern blottingにより検討した。また、小胞体ストレスにおけるアポトーシスに役割を担う転写因子CHOPの発現の変化をWestern blottingにて検討した。これらの検討より膵腺房細胞における小胞体ストレス負荷に対してUPRシグナルが活性化することが示唆された。 一方、アルコール性膵炎の病因・病態解析を目的とし、急性膵炎の発症、重症化に関与する遺伝子多型の検討を行った。病原体認識に関与するCD14/Toll-like receptor系のうち、CD14遺伝子プロモーター領域の-651C/T多型が急性膵炎重症化と関連することを明らかにした。さらに、急性膵炎患者を初発の症例と再発性の症例にわけて、トリプシン関連遺伝子多型との関連を検討した。この結果、初発の急性膵炎と関連する遺伝子多型は認められなかったが、膵分泌性トリプシンインヒビターSPINK1遺伝子のp.N34S多型、カチオニックトリプシノーゲンPRSS1遺伝子のp.R122H変異、そしてメゾトリプシノーゲンPRSS3遺伝子のE32del多型が再発性膵炎と有意に関連することを見出した。
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Research Products
(2 results)