2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (50190046)
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Keywords | 加速ベッド / 糖尿病 / 血管内皮機能 / 血管内皮前駆細胞 / Endo-PAT |
Research Abstract |
血管内皮機能障害は粥状動脈硬化を惹起させ,心血管イベント発生を増加させる。加速ベッド治療は,健常成人の血管内皮機能を改善することが報告されているが,2型糖尿病患者においても血管内皮機能を改善させるかをEndo-PAT検査を用いて検討した。更に,血管内皮機能改善と循環血中内皮前駆細胞(EPC)の関係についても検討した。加速ベッドによる治療は,負荷加速度±2.2m/秒2で,1回45分間,計10回を1週間で実施した。フローサイトメトリー法により測定された2型糖尿病患者の循環血中EPC数は,リスクファクターを持たない非糖尿病患者より低値であること(33.9±35.1/10^5 vs.38.2±47.6/10^5),他のリスクファクターも糖尿病と同等の影響を循環血中EPC数に与える可能性があることが示唆された。また,加速ベッド治療は,血管内皮機能が低下している2型糖尿病患者に対し,血管内皮機能の指標であるRHI (reactive hyperemia index)を改善させる効果をもつ可能性が示唆され(1.62±0.36 vs.1.76±0.29),循環血中EPC数も加速ベッド治療により増加した(54.1±50.5/10^5 vs.85.7±82.6/10^5)。個々の患者における循環血中EPC数とRHIの増加率は正の相関を示した(r=0.421)。これらの結果により,加速ベッド治療は今後の血管内皮機能障害に対する新しい治療法としての可能性が見出された。
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Research Products
(6 results)