2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590840
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井上 健司 Juntendo University, 医学部, 准教授 (80317388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 哲 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90226613)
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Keywords | 臨床 / 動脈硬化 / バイオマーカー |
Research Abstract |
本年度は1)正常値の規定、2)慢性動脈硬化患者での測定意義、3)冠動脈CT検査との補完マーカーとしての意義、4)整形外科疾患での肺梗塞予測因子としての意義の4点を明らかにすることを目的とした。そのうち、1)、2)について以下の点がわかった。 1)正常値(カットオフ値)の設定。 カットオフ値決定のため、正常郡数をより増やし、データ解析後正常値を規定する。長崎県上五島の集団健診受診者、2514名(平均年齢60.3歳、男性47%)を対象に測定されたPTX3値を用い、PTX3の正常値、カットオフ値を設定する。2619名の受診者から、除外項目に該当した症例を除き、最終的には1749名(平均年齢59.6歳、男性46.8%)を対象に解析した。PTX3は男性1.87mg/Lに対し、女性は2.12mg/Lで有意に女性で高いことがわかった(P<0.0001)。また高齢者ほど、その値は高くなる。しかし中性脂肪や肥満度には逆に減少傾向になる。そのため、それらを診断基準の要素とするメタボリック症候群では有意に低い値をとることがわかった(非メタボリック症候群:1.82mg/L、メタボリック症候群2.11mg/L(P=0.021))。 2)冠動脈CT検査施行症例でのスクリーニングマーカーとしての意義 64列冠動脈CT装置(MDCT)は冠動脈硬化症診断に対し、感度95%,特異度90〜95%程度(Mollet, Circulation2005)と陰性的中率のすぐれた検査であることが知られている(98-99%)が陽性的中率は75-90%と低い。血漿PTX3値がMDCTの疑陽性をどこまで減らせるかを検討する。我々はこれまで、434連続症例(37歳-90歳、男性60.6%)を解析している。29.6%に冠動脈疾患が疑われ、冠動脈造影検査を全例施行された。そのうち約37%には有意狭窄を認めず、いわゆる疑陽性に分類され。一方残り63%は冠動脈治療を必要とした群(インターベンション群)になる。これらのPTX3値を調べますと、インターベンション群:2.17ng/mL,疑陽性群1,74ng/mLと優位で疑陽性群でPTX3値は低く、そのオッズ比は3.42倍だった。以上より冠動脈CTに血漿PTX3値を考慮すると約3.4倍の疑陽性群を減らすことができるという結論になる。
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Research Products
(1 results)