2008 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈不安定プラークの破綻予知と安定化治療戦略のためのイメージングシステム開発
Project/Area Number |
20590849
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
大倉 宏之 Kawasaki Medical School, 医学部, 准教授 (30425136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川元 隆弘 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30368667)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 動脈硬化 / 血管内超音波 / 血管内光干渉断層法 / 不安定プラーク / 急性冠症候群 |
Research Abstract |
虚血性心疾患患者を対象に冠動脈を血管内超音波法(IVUS)と光干渉断層計(OCT)によって観察し、冠動脈の不安定プラークの特徴を検討した。対象は26例の虚血性心疾患例における冠動脈病変40病変であった。OCTにより不安定プラークの特徴である、thin-cap fibroatheroma (TCFA)と診断された病変が19病変、それ以外の病変が21病変認められた。それぞれの病変について、IVUSによる評価を行ったところ、TCFAと診断された病変では外弾性膜断面積(p<0.001)、プラーク+中膜断面積(p<0.005)、リモデリングインデックス(p<0.05)が有意に大であった。また、IB-IVUS解析装置を用いて、超音波radiofrequency(RF)信号解析を用いたintegrated backs catter(IB)値によりプラーク性状をさらに、calcification, mixed lesion, fibrous, lipidの4成分に分類したところ、OCTによりTCFAと診断された病変では、IB-IVUSによるlipidが有意に多く(61.6% vs. 41.7%, p<0.01)、その他の成分は少なかった。ROCカーブ解析により、リモデリングインデックス>1.0をカットオフ値とすると、感度89%、特異度76%、陽性的中率77%、陰性的中率89%でTCFAの診断が可能であった。また、%lipid area 55%以上をカットオフ値とすると、感度84%、特異度86%、陽性的中率84%、陰性的中率86%でTCFAの診断が可能であった。以上より、OCTとIVUSを用いた組織性状診断による、不安定プラーク診断の可能性が示唆された。今後、これらの病変を長期フォローアップすることにより画像診断の予後予測における意義が明らかになるものと期待される。
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