2008 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧の退行療法の確立とエピジェネティクス技術を用いた分子機序の検討
Project/Area Number |
20590984
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 Keio University, 医学部, 講師 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
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Keywords | 高血圧 / 退行 |
Research Abstract |
高血圧の退行療法を検討するために、高血圧モデル動物(SHR)を用いた。16週齢の雄SHR(n=60)を6群にわけた。コントロール群は無処置とし、他の群には各々ACEI(エナラプリル30mg/kg/d)、ARB(カンデサルタン50mg/kg/d),カルシウム拮抗薬(CCB)(ニフェジピン50mg/kg/d),血管拡張薬(ヒドララジン25mg/kg/d)の各降圧薬を16週齢から18週齢まで2週間投与した後休薬し,無処置群と比較した。また,薬剤投与期間中のみ低食塩食にした群も同時に解析した.休薬後も血圧を経時的に測定し,パルス療法終了後約4ヶ月で各種解析を行った.降圧薬のパルス療法中は各群とも血圧が約150mmHgとほぼ同様に低下した。ACEI・ARB投与群では投与中止後も血圧低値が続き、終了4ヶ月後でも無処置群と比較して約30-50mmHg低値(p<0.01)が保たれていた。心血管合併症への影響を検討するために、心肥大・大動脈肥大を比較解析したところ、ACEI・ARB投与群では有意に抑制された。一方、CCB・血管拡張薬ではそのような効果を認めなかった.これらの結果は,正常食塩食,低食塩食ともに同様であった. 以上の結果より、レニンーアンジオテンシン系の高用量一過性投与(パルス投与)が高血圧の退行に有効である可能性が示唆された。
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