2009 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧の退行療法の確立とエピジェネティクス技術を用いた分子機序の検討
Project/Area Number |
20590984
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
篠村 裕之 Keio University, 医学部, 准教授 (00235293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40252457)
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Keywords | 高血圧 / 退行 |
Research Abstract |
近年高血圧は肥満・耐糖能低下・脂質異常とともにインスリン抵抗性を共通病態としたメタボリックシンドローム(MetS)の形で発症する場合が多くなっており、その抜本的な治療法の開発が益々重要となっている。そこで、今回、ARB「パルス」投与がMetSを伴う高血圧のモデル動物であるSHRmcr-cpの血圧とインスリン抵抗性に与える影響を検討した。雄SHRmcr-cp(n=18)にARBあるいはカルシウム拮抗薬を16週齢から18週齢にパルス投与したのち薬剤を中止した。その結果、パルス投与中止後も血圧の持続抑制(Control : 222±4, ARB pulse 186±4, CCB 217±6mmHg, p<0.01)とともにインスリン抵抗性の改善ならびに尿中アルブミン排泄の有意(p<0.05)な低下を認めた。 以上の結果より、MetSを伴う高血圧のモデル動物であるSHRmcr-cpではSHRと同様に、ARB高用量パルス投与は高血圧の退行(regression)をもたらし、またパルス終了後も尿アルブミン排泄の持続抑制が見られることが示唆された。
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