2009 Fiscal Year Annual Research Report
α-シヌクレイン分解酵素ニューロシンの細胞内プロテアーゼ特性とその制御因子の検討
Project/Area Number |
20591007
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
徳田 隆彦 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 講師 (80242692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50363990)
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Keywords | ニューロシン / セリンプロテアーゼ / α-シヌクレイン / 蛋白分解 / 培養細胞 / 小胞体 |
Research Abstract |
昨年度に続いて、α-シヌクレイン分解活性を有するニューロシンの細胞内局在および細胞内での動態を、ニューロシンおよびα-シヌクレインを発現させた培養細胞系を用いて検討した。昨年度の検討で、ニューロシン-EGFPをトランスフェクトしたHEK293T細胞ではニューロシンが小胞体に局在するという結果を得たが、GFPの結合による蛋白分解系への非生理的なsortingの可能性も考えられた。今年度はニューロシンのみを発現させたHEK293T細胞で、抗ニューロシン抗体とER、ミトコンドリア、ライソゾームなどの各種細胞内オルガネラ・マーカーとの局在を詳細に検討した。その結果、ニューロシンはERマーカーと局在性が一致していたが、ミトコンドリアマーカーとは局在が一致せず、ライソソームマーカーとは一部で局在性の一致が認められた。また、ニューロシン発現細胞の細胞抽出液および無血清培養上清のウエスタンブロッティングでは、細胞抽出液中には全長ニューロシンに加えて、糖鎖修飾を受けたと考えられるニューロシンが検出された。培養上清中では後者のみが検出された。以上からは、GFPを結合させていないニューロシン発現細胞においても、ニューロシンは細胞内では主としてERに局在し、分泌経路で糖鎖修飾を受けて細胞外に分泌されることが確認された。また、昨年度に行ったセリンプロテアーゼの合成基質ペプチドに対する細胞外ニューロシンの酵素活性の検討を、より詳細に行う目的で、細胞内(細胞抽出液)および細胞外(培養上清)に存在するニューロシンの合成基質ペプチド分解活性を定量的に検討した。その結果、細胞内ニューロシンにはペプチド分解活性が認められなかったが、細胞外ニューロシンにはセリンプロテアーゼ活性が確認された。以上は、ニューロシンは細胞外セリンプロテアーゼとして機能しているという我々の仮説を支持する結果であった。
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Research Products
(6 results)