2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗体結合型β-カテニン siRNAを用いた多発性骨髄腫に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
20591121
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芦原 英司 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70275197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80229286)
木村 晋也 京都大学, 医学研究科, 助教 (80359794)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / siRNA / β-catenin / CD138 / RNA干渉 |
Research Abstract |
我々は平成20〜22年度科学研究費基盤(C)を受け、抗体結合型βーカテニンsiRNAを用いた多発性骨髄腫に対する新規治療法の開発に関して、以下のことを明らかにした。 1)骨髄腫患者の骨髄より骨髄腫細胞を純化分離し、正常人骨髄中の形質細胞よりβーカテニンが高発現していることを明らかにした。βーカテニンには非リン酸化状態である活性型とリン酸化状態の非活性型があるが、いづれのタイプも健常人より高発現していた。 2)βーカテニンsiRNAを骨髄腫細胞の皮下腫瘤モデルに投与し、骨髄腫の成長を著明に抑制することを明らかにした。またこれはカスパーゼ依存性のアポトーシス誘導であることを明らかにし、βーカテニンが多発性骨髄腫の新規ターゲットとして有効であることを明らかにし報告した(Clinical Cancer Research,in press)。またβーカテニンシグナル阻害剤による骨髄腫細胞への抗腫瘍効果についても検討している。 3)抗体結合型のsiRNAの試作を行ない、現在も検討中である。 4)そのため、平成21年度の予定に上げていた正所性骨髄腫モデルマウスの作製を前倒しにし、IM-9細胞を経静脈的移植によるモデルマウスを一種類作製した。本モデルでは移植後一週間で体重減少を認め、骨髄の病理学的検索によると、全例骨髄内への生着を認め、ほぼ30日でモデルマウスは100%死に至る。その他の骨髄腫細胞株を用いた正所性骨髄腫モデルマウスも作製中である。
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