2010 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球チップを用いた関節リウマチCCP抗体ライブラリーの作成と病態解析
Project/Area Number |
20591167
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岸 裕幸 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村口 篤 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20174287)
小澤 龍彦 国立大学法人富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10432105)
多喜 博文 国立大学法人富山大学, 附属病院, 講師 (10240780)
篠田 晃一郎 国立大学法人富山大学, 附属病院, 助教 (40377312)
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Keywords | リウマチ / 自己抗体 / 抗CCP抗体 / マイクロウェルアレイチップ / ISAAC法 |
Research Abstract |
関節リウマチでは、天然アミノ酸の一つであるシトルリンを含む環状ペプチド(cyclic citrullinated peptide, CCP)に対する抗体(抗CCP抗体)が関節リウマチ患者に特異的に出現し、早期の診断に極めて有用であることが報告されている。抗CCP抗体は他の自己免疫疾患患者に出現することは少なく、関節リウマチの発症に深く関連していると考えられる。初期の段階での患者血液中の抗CCP抗体の検出はその後の関節破壊と高い相関があることが示されている。本研究では、マイクロウェルアレイチップを用いてリウマチ患者リンパ球より抗CCP抗体を産生しているリンパ球を同定し、患者由来抗CCP単クローン抗体を作成する。その抗体を用い、認識する自己抗原を同定し、抗CCP抗体出現の機序および抗体の病理的作用機序を明らかにすることを最終的なゴールとしている。その目的にそって平成21年度にヒト末梢血リンパ球中の抗原特異的抗体分泌細胞を高効率に検出し、その分泌抗体のcDNAを迅速に取得できるISAAC法を確立したが、ISAAC法ではワクチン接種のようにリンパ球取得の前に抗原で感作する必要があり、自己免疫疾患患者にすぐには応用できなかった。平成22年度はin vitroの刺激法をISAAC法に組み合わせることを検討した。その結果、in vitroにおいてメモリーB細胞を抗体分泌細胞へ分化させることで、in vivoにおいて抗原で感作することなくISAAC法で目的抗体を取得できる方法を確立することができた。この方法を用いて、インターフェロンに対する自己抗体を産生しているメモリーB細胞から自己抗体を作製することに成功した。また、リウマチ患者末梢血リンパ球中の抗CCP抗体産生メモリーBリンパ球を抗体分泌細胞へ分化させ、チップ上に抗CCP抗体分泌細胞を検出することができた。今後、最終的なゴールへ向け解析を進めていく。
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