2010 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の記憶障害に関わるニューロプラスチンの役割ー基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
20591377
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
秋山 一文 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40150990)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 淳 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00453407)
|
Keywords | ニューロプラスチン / 統合失調症 / 認知機能 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
統合失調症では記憶の障害が重要な病態と考えられる。そのため、ニューロプラスチンを統合失調症の記憶・認知障害に関わるひとつの分子として、細胞、動物の記憶関連行動、臨床現場での記憶・認知機能評価の視点から研究を行うことが「研究の目的」である。 猫協医科大学とその関連病院に通院中または入院中の統合失調症の患者、及び健常対照者を対象にして、統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)の評価と血液からのDNA抽出の集積を進め、200例の患者、230例の健常対照者が集まった。その結果、言語性記憶、ワーキングメモリー、運動、言語流暢性、注意、遂行の各項目において、健常対照者に比べ統合失調症では有意な低下が認められた。 ニューロプラスチン遺伝子多型と認知機能との関わりを200例の統合失調症患者で検討したところ、NPTN遺伝子プロモーター領域にありNPTNの転写に影響するSNPの多型と統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)で評価した遂行機能との間に有意な相関関係を認めた。現在、症例数を増やしてさらに詳細に解析を行っている。
|