2011 Fiscal Year Annual Research Report
Y―90標識抗CD20抗体治療におけるリンパ球の放射性組織障害に関する検討
Project/Area Number |
20591435
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 直人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40210926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹谷 清剛 金沢大学, 医学部, 教授 (20281024)
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Keywords | イットリウム90 / 標識抗体治療 / リンパ球 / 放射性組織障害 / 小核試験 |
Research Abstract |
以前より、アイソトープ治療に小核試験を用いて、リンパ球に対する放射性組織障害に関する検討を重ねて報告してきた。しかし、小核試験はDNAの損傷を小核出現として間接的に検出する評価方法であり、DNA損傷検出としては感度が低いと考えられるようになった。DNA損傷検出の点ではより感度の高い手法であると考えられるγ-H2AXを用いる評価法を、新たな方法として確立を試みた。γ-H2AXのDNA損傷部位への集積が知られており、同蛋白質に対する抗体で免疫染色を行うと、DNA損傷部位が核内の点として染色され、DNA損傷の個数が計測可能となる。方法:正常者(今回まで合計7名)より採血し正常リンパ球を遠心分離して、in vitroで段階的にX線照射を行い、リンパ球を特殊スライドグラス上にホルマリン固定し、抗γ-H2AX抗体で反応させる。反応後、2次抗体で蛍光免疫染色し、光学顕微鏡下でDNA損傷の個数を計測する。結果:DNA損傷の個数と外部照射数量との間には正の相関がみられ、Y=4.9X+3.4として求められた。Y-90標識抗CD20抗体を用いた放射線内部照射療患者2例のみ検討可能だったが、その内計測可能だったのは一例のみであった。治療後一日のみの採血可能であった。細胞当たりの平均では治療前のDNA損傷の個数は0だった。治療後1日では8で、DNA損傷が有意に検出された。外部照射を用いて推定する照射量は0.9Gyとして求められた。比較対象として、I-131大量治療4名も検討したが、治療後4日では平均6.8と計測され、DNA損傷が有意に検出された。照射量は0.7Gyとして求められた。従って、本研究のリンパ球に対する放射性組織障害の基本的評価法として、我々の新しい評価方法が確立できた。今後はさらに患者数を増やし検討することで、詳細な放射線内部照射療における生物学的被曝量評価が可能であると考えられる。
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Research Products
(2 results)