2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経メラニン細胞密度とMRIの信号強度の相関:剖検脳と3TMRIによる検討
Project/Area Number |
20591444
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小川 敏英 Tottori University, 医学部, 教授 (00125709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松末 英司 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30325013)
藤井 進也 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (10379638)
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Keywords | 神経メラニン / 3TMRI / パーキンソン病 |
Research Abstract |
剖検脳の神経メラニン画像と病理組織所見の対比検討:2例の剖検例(正常者およびパーキンソン病症例)について検討した。正常例では、神経メラニン画像の高信号域は緻密層を中心に見られ、特に内側部分に広く分布していた。 組織像では神経メラニン含有神経細胞数は緻密層の内側部分に多く認められ、高信号域の分布に一致していた。パーキンソン病では、緻密層を中心に見られた黒質の高信号域はほぼ消失しており、黒質の内側と外側の信号強度に差は見られなかった。正常例と比較すると、青斑核および黒質においてともに、神経メラニン含有神経細胞数は減少しており、特にメラニン量が保たれている神経メラニン含有細胞数の減少が明らかであった。パーキンソン病における、神経メラニン画像での黒質の高信号域の消失が、内側および外側ともに同程度であった所見は、神経メラニン含有神経細胞の脱落を反映しているものと考えられた。 パーキンソニズムを呈する症例における神経メラニン画像を用いた検討:前年度と同様の手法で、症例の蓄積を行った。神経メラニン画像において、CLC=(青斑核-橋被蓋)/橋被蓋を計測した。パーキンソン病78例、多系統萎縮症5例、進行性核上性麻痺7例に適用し、統計学的に解析した。CLCはパーキンソン病=0.050±0.033、多系統萎縮症0.053±0.O16、進行性核上性麻痺0.058±0.020であった。疾患間で統計学的有意差は認めず、神経メラニン画像によってパーキンソニズムを呈する疾患を鑑別することは困難と考えられた。しかし、症例数が少ないことから多系統萎縮症と進行性核上性麻痺の症例の蓄積を図り、検討する必要があると考えられた。
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