2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経メラニン細胞密度とMRIの信号強度の相関:剖検脳と3TMRIによる検討
Project/Area Number |
20591444
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小川 敏英 鳥取大学, 医学部, 教授 (00125709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 進也 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (10379638)
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Keywords | 神経メラニン / 3T MRI / パーキンソン病 |
Research Abstract |
剖検脳の神経メラニン画像と病理組織所見との対比検討:3例の剖検例(正常者、Lewy小体型認知症、パーキンソン病症例)について検討した。神経メラニン画像と顕微鏡下で測定した中脳黒質の神経メラニン細胞数との対比を行った結果、メラニン含有量が保たれている神経メラニン細胞数と神経メラニン画像の信号強度には有意な正の相関が認められた。この結果は、神経メラニン画像における中脳黒質の信号強度には、メラニン含有神経細胞の多寡が重要な要素であることを示していると考えられる。今回の検討から、臨床例での神経メラニン画像における高信号域の病理学的背景は、神経メラニン細胞が主たる要因であることを証明することができた。 パーキンソン病を中心にパーキンソニズムを呈する症例における神経メラニン画像と脳血流SPECTとの対比検討1神経メラニン画像において青斑核と橋被蓋の信号強度を測定し、CLC=(青斑核-橋被蓋)/橋被蓋を算出した。その結果からCLCの閾値を算出し、青斑核の神経メラニンが保たれている群と低下している群の2群に分け、^<99m>Tc-ECD SPECTを用いた局所脳血流量に関して両群に有意差が得られるか否かについて検討した。その結果、青斑核の神経メラニンの低下群では保たれている群に比べ、大脳皮質において撰部、襖前部、帯状回背側部で有意な血流低下を認めた。この結果は、パーキンソニズムを呈する疾患では、青斑核における神経メラニン細胞の減少が進むとともに、大脳皮質の局所的な血流低下を示すことを示しており興味深い。
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