2010 Fiscal Year Annual Research Report
3次元培養がん細胞を用いた、ギャップ結合から見た放射線抵抗性メカニズムの解明
Project/Area Number |
20591500
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鳥越 総一郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (20264658)
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Keywords | ギャップ結合 / 3次元培養細胞 / がん / 放射線感受性 / メカニズム |
Research Abstract |
本年度は放射線抵抗性因子として知られる低酸素・低PHの環境下におけるギャップ結合の機能及び薬剤耐性におけるギャップ結合の機能について明らかにするため、まずは低酸素下における頭頸部癌細胞のたん白発現について解析を行った。昨年度に導入したマルチガスインキュベーターを用いて様々な酸素濃度(2,1、0.5%および大気)にて頭頸部癌細胞株であるOSC-19およびHSC-3をそれぞれ24時間、48時間培養させた後、細胞内たん白を抽出し、Western blottingを用いてHIF-1αの発現量を検討した。OSC-19およびHSC-3どちらにおいても酸素濃度と逆相関でHIF-1αの発現量の変化が認められた。次に3次元培養系で同様の解析を行ったが、3次元培養では細胞内たん白の抽出のための細胞処理に時間がかかるためか、低酸素下条件でのHIF-1αの発現上昇は認められなかった。またコネキシン43との相関性についても明らかではなかった。 次に上記条件下でのγ線感受性について解析を行ったところ、いずれの細胞においても低酸素化での感受性の低下を認めたが、期待されるほどの差は認めなかった。これは実験機器の物理的距離の関係で、照射の際に低酸素の条件を長時間保持できていない可能性が考えられた。 また、3次元培養下でのシスプラチン耐性癌細胞におけるギャップ結合と薬剤耐性の関連性について調べるため、野生型・優性抑制型コネキシン43発現ベクターおよびコネキシン43siRNA導入を試みた。現在発現変化について解析を行っているところで、今後3次元培養下での薬剤耐性能の変化についてコロニーフォーメーションアッセイにより解析を行う予定である。
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