2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルを用いた新規遺伝子治療による細胞外マトリックス制御による内膜肥厚抑制
Project/Area Number |
20591527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊東 啓行 Kyushu University, 大学病院, 講師 (10346778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 憲功 九州大学, 医学研究院, 講師 (40294912)
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Keywords | 細胞外基質 / 血管平滑筋 / sonoporation / 内膜肥厚 / ナノバブル / 遺伝子治療 / 血管外科 / 血行再建 |
Research Abstract |
平成20年度においては、細胞外マトリックス制御による新生内膜肥厚制御に向けての基礎研究を行った。 まず、細胞におけるsonoporationを用いた遺伝子導入効率を向上させるべく、平滑筋細胞に先立ち、条件設定を行う意味でHEK293細胞を用いてGreen Fluorescent Protein(GFP)遺伝子導入実験をまず行った。HEK293細胞に対してナノバブルに各種濃度のGFP遺伝子を加え、超音波照射を行ったところ、遺伝子濃度を上昇させることによって、約20%程度の遺伝子導入効率を得ることができた。また、この内因性カリウムチャンネルを持たないHEK293細胞にカリウムチャンネル遺伝子を導入したところパッチクランプ法にて、遺伝子導入されたカリウムチャンネルが機能していることが証明できた。 これをふまえて、生体血管組織へのsonoporationによる遺伝子導入を実現する目的で、体重2.5-3.0kgのウサギ大腿動脈、大腿静脈、総頸動脈、総頸静脈を麻酔下に摘出し、sonoporation法を用いてレポーター遺伝子であるLacZ遺伝子、もしくはカリウムチャンネル遺伝子導入を行った。その結果、LacZ遺伝子導入後の評価において、固定後の染色では発色を確認できなかった。しかし、カリウムチャンネル遺伝子を導入したものでは血管平滑筋の弛緩反応が確認でき、遺伝子導入が成立している可能性が示唆された。 今後、動脈、静脈組織へのsonoporationによる遺伝子導入が可能となれば、目的とする遺伝子をターゲットとする治療部位に選択的に導入することで、疾患治療へとつながるとともに、本研究においても細胞外マトリックス産生制御に向けての方向性が定まっていくと思われる。
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