2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌に対するTGF-βsiRNA導入樹状細胞による新規免疫遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
20591533
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80364090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10322372)
松田 健司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30398458)
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Keywords | 樹状細胞 / TGF-β / adenovirus vector / siRNA / 免疫遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究は、癌局所の免疫環境において,細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の誘導を増強させる一方、免疫抑制作用を有するTGF-βの作用を制御することにより消化器癌の癌免疫療法の有効性を高めることを目的としている。本年度は、前年度施行した研究で有意なデータが得られなかったことを反省し、TGF-βsiRNA発現adenovirus vector(AxTGF-βsiRNA)のTGF-βsiRNAの発現が不十分な可能性を考え、vectorの再検討を行った。MC-38.CEAにAxTGF-βsiRNAを感染させ,TGF-βの産生を定量的RT-PCR法で検討し、最も効率よくTGF-β産生抑制が認められる条件を検討した。さらにDCにAxTGF-βsiRNAを感染させ,マウスCD8+T細胞と混合培養し,TGF-βの刺激によるIFN-γの誘導について検討した.そ結果vectorの至適moiを再確認したが、発現が極めて不安定であることが判明した。そのため、TgCEAの背部皮下に,CEA遺伝子,TGF-βsiRNAとCEA遺伝子のそれぞれの遺伝子導入DCを接種し得られたCTLのMC-38.CEAに対するCTL活性にはわずかに活性を認めるものの有意差は認めなかった。mGM-CSF遺伝子併用効果は認められた。皮下腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果もわずかに認めるのみであった。ヒトにおける抗腫瘍免疫応答を検討するため、ヒトTGF-βsiRNA発現adenovirus vectorの作製を同時に行ったが、やはりvectorのTGF-βsiRNAの発現が不安定で、有意な結果が得られなかった。本研究の問題点として、TGF-βsiRNAの作用機序、siRNAを組み込んだadenovirus vector自身の作用動態に根本的な問題があると考え、現在、TGF-βsiRNA、およびsiRNAの遺伝子導入法の改良に取り組んでいる。
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Research Products
(3 results)