2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の血清遊離DNA断片を標的とした新しい悪性度診断法の基礎的臨床的検討
Project/Area Number |
20591558
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
小澤 壮治 Fujita Health University, 医学部, 教授 (10169287)
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Keywords | 血清DNA / 核酸 / 腫瘍マーカー / 血行性転移 / 消化器癌 |
Research Abstract |
基礎研究では、BALAB/cA-nu/nuヌードマウスにヒト大腸癌細胞株(WiDr)を皮下に移植して腫瘍を形成させた。5-FU50mgの5回投与群と5-FU100mgの5回投与群、非投与群の3群を設定して、末梢血液の血清中に存在する長いDNA断片と短いDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)の測定を行った。次に推定腫瘍重量とDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)の関連について検討した。結果は5-FU投与量に応じて腫瘍重量が減少し抗腫瘍効果がこの投与モデルで確認できた。さらに、DNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)は5-FU投与量が増加するにつれて増加した。すなわち抗腫瘍効果とDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)は相関することが明らかとなった。 臨床研究では、藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院外科で診療する胃癌と大腸癌症例において、患者血液中のDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)の臨床腫瘍学的意義を検討5した。胃癌17例、大腸癌46例、それぞれ50検体、176検体について、末梢血液の血清中に存在するDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)の測定を行った。胃癌においては、T, N, stageなどとDNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)は相関しなかった。しかし大腸癌において、DNA断片の比(Alu247DNA/Alu115 DNA比)が相関する傾向が認められた。 以上よりDNA断片の比(Alu247DNA/Ah115 DNA比)は癌の進行度や化学療法の効果に関係する可能性が示唆された。
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