2008 Fiscal Year Annual Research Report
肥満外科手術の糖尿病改善効果の基礎的検討:重症糖尿病を手術で治す時代に向けて
Project/Area Number |
20591586
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿郷 昌之 Tohoku University, 病院, 助教 (30455779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 近 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30270804)
木内 誠 東北大学, 病院, 助教 (90422146)
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Keywords | 外科 / 糖尿病 / 生理学 / 動物 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
次的なものではなく、インスリン分泌刺激作用があり、回腸から分泌されるglucagon-like peptide-1などの消化管ホルモンの血中濃度増加による直接的効果が想定されている。本研究は、胆汁、膵液、どちらが血中GLP-1濃度上昇効果が著しいのか、また、それぞれの影響で消化管運動がどう変化するのか、をイヌを用いて基礎的に検討することを目的としている。 胆汁・膵液双方を回腸へと流入させる群(BPD群)、胆汁のみを回腸へと流入させる群(BD群)、膵液のみを回腸へと流入させる群(PD群)、消化管に切離・吻合を加えない対照群(C群)、十二指腸の切離・再吻合を行なうsham群(S群)、の5群を設定した。これまでのところ、BPD群、BD群、C群の消化管運動について結果が概ね出ている。消化管運動は空腹期と食後期に大別出来るが、BPD群とBD群では、C群に比べて著しく食後期の長さが延長していることが判明した。この食後期の延長は、GLP-1の血中濃度が上昇したための胃排出遅延効果に関連していると考えられた。PD群、S群に関してはまだイヌの頭数が不足で結論は分からない。また、採血した検体をストックしており、今後まとめてホルモン(GLP-1、インスリン、gastric inhibitory peptide(GIP)、peptide YY(PYY))、血糖、の測定を行なう予定である。今後は、PD群、S群の頭数を増やし、ホルモン測定の結果と合わせて検討して行く予定である。
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