2008 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌発生におけるWNT受容体FZD10の関与の解明
Project/Area Number |
20591589
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長山 聡 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70362499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 義治 京都大学, 医学研究科, 教授 (60273455)
戸口田 純也 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
久保 肇 京都大学, 医学研究科, 講師 (50362520)
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Keywords | 大腸癌 / 発癌 |
Research Abstract |
外科的切除されたヒトの腫瘍組織標本でFZD10の発現状況を検討することと並行して、細胞株を利用したin vitro実験でFZD10が関与するシグナル伝達系およびその機能を明確にすることを目標とした。 1. 大腸腺腫、大腸癌、大腸癌肝転移巣におけるFZD10の発現状況の検討 さらに症例数を増やして、切除標本でのFZD10蛋白の発現を免疫染色にて調べた。大腸癌では、FZD10の発現が癌部で亢進していた。発癌に関与する可能性が示唆された。この結果につき、論文にまとめ、発表した。患者の予後との相関を検討中である。 2. FZD10陽性大腸癌細胞株でのFZD10 knock-down効果の検討 FZD10陽性大腸癌細胞株においてFZD10に対するsiRNAを用いてFZD10発現を抑制した場合に、PCP pathwayに関わる分子(Disheveled、RhoAなど)の発現変化やアクチン骨格などの形態変化が起こるかどうかを検討するために、現在のところ、安定株を作成したところである。今後シグナルにつき、検討する。 3. FZD10発現制御メカニズムの解明 Luciferaseを用いたreporter assayによって、FZD10遺伝子の転写調節領域およびcore regionを同定し、さらに転写を制御している転写因子の関与を検討する計画は、現在のところ進行中である。 [本研究結果の意義] 大腸癌では、滑膜肉腫と同様の結果であったが、食道癌でも並行して検討している。食道癌では、異なった結果が出ており、癌種による働きの違いも示唆される。分子標的の考え方に対して、重要な視点を提供できるかもしれない。
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Research Products
(1 results)