2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌治療抵抗性関連microRNAの同定とその制御による治療感受性増強
Project/Area Number |
20591629
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 助教 (80437780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
大内田 研宙 九州大学, 大学院・医学研究院, 客員助教 (20452708)
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Keywords | 膵癌 / miRNA |
Research Abstract |
膵癌は、現在国内で癌死の第5位を占めるほどの主要な癌でありながら、最近30年間でほとんど予後改善(5年生存率がわずか3%のまま)が認められない。その主要な原因の一つとして抗がん剤や放射線に対する治療抵抗性が挙げられる。そこで、膵癌治療抵抗性に関わるmicroRNA (miRNA)の同定およびGemcitabine感受性予測を目的として研究を進めた。 平成22年度は、それまでに当研究室で同定した膵癌治療抵抗性に関連する可能性があるmiRNAを絞り込み、個別のmiRNAについて発現増強あるいは抑制実験を行い、Gemcitabineに対する治療抵抗性を持つmiRNAl42-5pおよびmiRNA204を同定した。さらに上記の治療抵抗性との関連が示唆されたmiRNAを対象に、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルにおけるmiRNA定量解析、および間質を除いた標的癌細胞のみを収集したマイクロダイセクションサンプルにおいてmiRNA定量解析を行い、その結果生命予後あるいはその他の臨床病理学的因子に対して有意に影響を与えるmiRNA17-5pおよびmiRNA200cを同定した。さらにそれらmiRNAを対象に、そのinhibitorやprecursor分子の導入による発現増強実験を行い、その機能解析および抗癌剤や放射線治療に対する併用効果を検討した。また、採取膵液を用いて癌関連miRNA定量解析を進め、術前検査による治療効果予測、予後予測、膵液治療のテーラーメード化の可能性を検討した結果、miRNA21およびmiRNA155が膵液を用いた癌のbiomarkerとなる可能性が示唆された。
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