2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子改変マウスにおけるWee1遺伝子の膵発癌への関与とその臨床的意義
Project/Area Number |
20591630
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冨永 洋平 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 特任講師 (90304823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 英司 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30264021)
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Keywords | 膵癌 / 細胞周期 / microdissection / Weel / G2 / Mチェツクポイント / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
作年度は、real-time RT-PCRを使用したWeelmRNA発現の定量の系を作製した。増幅される領域が狭いので、パラフィン標本を含めた殆ど全てのサンプルでWeelmRNAを定量することが可能になった。これまでに当教室が有する膵臓がんより樹立した14種類の細胞株を使用して、WeelmRNAの量を定量した。今の所、正常細胞のmRNAの発現のレベルと比較して、明らかな差は認めていない。 これまでに当教室に保存しているヒト膵癌のパラフィン標本より、microdissection法にて癌組織を切り出して、WeelmRNAを定量する。これにより、WeelmRNAの発現と予後、悪性度、ステージ等を比較して、膵臓癌とWeelとの関連を明らかにしていく。当該年度は、5サンプルのヒト膵がんを調べ、膵がん組織では正常の組織と比較して、約2倍のWeelmRNAの発現を認めた。現在、サンプル数を増やすため、mRNAを数十のサンプルより抽出中である。 また、これまでにヒトの肺がんにおいて、Weelの蛋白質レベルの発現は、悪性度と関連がある報告(Ann Oncol. 2004 ; 15(2) : 252-6)がある。我々も膵臓がんにおいて、Weelの抗体をパラフィン標本に使用して、発現レベルを検討してゆく予定である。 また、ノックアウトマウスの実験系は、現在遺伝子タイピングの系を作製中であるが、米国から輸入予定のマウスは、九州大学医系キャンパスのアニマルセンターの改築等のために、計画が遅れている。今年度は導入、交配し、研究可能な個体数を増加していくと共に正常マウスを使用して先に解析系を作成していく。
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