2010 Fiscal Year Annual Research Report
心拍動下手術における3次元デジタル解析システムを用いた手術野固定法の改良
Project/Area Number |
20591651
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
横山 斉 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80282127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 信弥 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30347223)
若松 大樹 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50443875)
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Keywords | 3次元デジタル解析システム / レミフェンタニル / ノルアドレナリン / フェニレフリン / ランジオロール |
Research Abstract |
【目的と方法】ヒトでの心拍動下冠動脈バイパス術の手術野の運動の固定性を高めるため、平成22年度はレミフェンタニル、ノルアドレナリン、フェニレフリンといった手術中に使用される薬剤がどの程度術野の固定性に影響を与えているかをブタの拍動心を用いて定量的実験を行った。 心表面運動3次元デジタル解析システムを使用し、各薬剤投与前後での心表面運動を座標データとして取り込み、1拍あたりの移動距離、最大速度、最大加速度、最大減速度を測定した。測定個所は左前下行枝領域、左回旋枝領域、右冠動脈末梢領域とした。 【結果】ブタ3頭の予備実験の後、ブタ14頭を用いて本実験を施行した。レミフェンタニルを投与すると心拍数は減少し、一回心拍出量は増加するが、スタビライザー(Octopus)で固定された状態では、心表面運動は変化しないことを定量的に証明した。このことにより、レミフェンタニルは、心拍動下冠動脈バイパス術において運動を増強させない薬物として有用と考えられた。 吻合中の血圧低下に対して、昇圧剤として使用されるノルアドレナリンとフェニレフリンについて同様の実験を行った。ブタにおいて両薬剤を投与し、心表面運動に与える影響を両者で比較した。ノルアドレナリン投与時は、フェニレフリン投与時より心表面運動は大きいことを定量的に証明した。心拍動下冠動脈バイパス術の昇圧剤としては、心表面運動の固定性の観点からはフェニレフリンの方が適していると考えられた。 その他、現在塩酸ランジオロール投与下ペーシングモデルによる固定性の評価の実験を進行中である。現在、ヒトでのデータ収集を検討中である。
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Research Products
(11 results)