2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳低体温療法施行時の患者重症度に関する研究―電子スピン共鳴法を用いた検討菌―
Project/Area Number |
20591808
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
新宮 千尋 Oita University, 医学部, 助教 (30295191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 重清 大分大学, 医学部, 助教 (90274761)
横井 功 大分大学, 医学部, 教授 (80150366)
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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Keywords | 脳低体温療法 / フリーラジカル / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
我々は、21年度の研究において、ラットの心肺停止・蘇生モデルに加え、脱血・返血による低灌流モデルの作成、脳の虚血再灌流障害の組織学的、神経学的影響を検討してきた。ラット脳虚血再灌流障害モデル作成は、低体温療法を始め、脳保護療法の効果検討を行う上で不可欠な要素であるが、21年度の研究で、組織学的変化として、海馬CAI領域の細胞脱落やアポトーシス誘導を確認することができ、安定したコントロールモデルとしての確立ができた。 また、脳のストレス状態とフリーラジカル動態との関連を見出すことが本研究の目的の一つであったが、各種ラジカルをESR(電子スピン共鳴)装置を用いて計測する過程で、脳の組織中、血中のアスコルビン酸ラジカルの動態が、脳や各種疾患の酸化ストレス状態を反映する一つの指標になることを見出し、発表した(研究発表論文参照)。この研究成果は、臨床において、ダメージを受けた脳の酸化ストレスの重症度、治療効果判定に、アスコルビン酸ラジカルの定量が有効となる可能性を示したものであり、脳保護戦略の大いなる一助となり得る。さらに、脳虚血再灌流モデルを用いた検体をもとに、各種条件設定や測定タイミングを変えながら、スピントラップ剤CYPMPOを用いた、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカルの捕捉を目指し、研究を継続中である。 今後も、アスコルビン酸ラジカルの動態と脳のダメージの関係をより詳細に検討していくために、その他のパラメータ(血中サイトカイン、AST、ALTなど)の動態計測や、行動解析を行っていく。また、低体温療法やその他脳保護薬投与による改善効果を比較検討する予定である。
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Research Products
(2 results)